ないものねだり
先月の中旬
母親の様子を見に行った日
その日は、わたしの誕生日の前の日
一ヶ月半ぶり
起きている姿は何ヶ月ぶりだっただろう
いっしょにいる次姉を確認
そして
◯◯ちゃん(長女のなまえ)はどうした?
長女は20年以上前に他界している
母親の口から出てくるのは
長女のなまえ
そして...姉の息子のなまえ
この日、わたしのなまえを呼ぶことはなかった
だいぶ進んだ認知症
わたしの存在を忘れたのではない
もう帰れば・・・
わたしが横にいることに気づいたときの母親のことば
最初から母親の中に
わたしの存在はなかった
気づいていた
でも、気づかないようにしていた
子どものころの問題行動
そして、病気の家族に囲まれて
ものわかりの良い
都合の良い
いい子ちゃんへと
いつしか、つきものが落ちたように
変わったじぶん
わたし自身に気づいてもらえることを期待して
ないものねだりをしてきたことに気づいた瞬間