雑踏に紛れて思うこと
自粛が解除され、駅を歩くひとも増えてきた
朝の通勤時間
だれもが周りに関心を持たず
ただ目的の場所に向かうためだけに歩く
そんな雑踏に紛れ
見知らぬだれかの背中を眺めながら歩く
ふと、目の前にある光景が
スクリーンに映し出されているだけのように感じてくる
無機質な光景の中にある
それぞれの想い
ひとりひとりの
それぞれの世界
現実と幻想が重なり合い
入り混じったような
不思議な感覚
それは
家の中に居場所を感じられなかった子どもの頃
庭でひとり、空を眺め
ひとりのじぶん
そして別の場所には
同じ時を過ごしているだれかがいる
そんな当たり前のことが
なぜかとても不思議だったことを思い出す